ソマティック心理治療センターは日本ソマティック心理学協会の会長、久保隆司氏と医療法人ベスリクリニック理事長、田中伸明氏と共同で、2021年4月より設立されました。
ご挨拶
SPC共同発起人 久保隆司
日本ソマティック心理学協会(HP) 会長
当センター設立目的の一つに「より多くの困っている人に、ソマティック(身体)心理療法を、安心して診療機関で受けていただく機会の提供」があります。ソマティック心理療法は(十年前と比べると随分と改善しましたが)まだ全体的には知名度が低いため、また通常、医療機関で受診できる機会も少ないため、セッション料金も高めとなります。受けたくても受けられない人、そもそもその存在を知らない人、やはり医療機関が安心できると言う人に、今回のSPCの設立は画期的な朗報だと言えるでしょう。
(開設記念講座第1回目より抜粋)
SPC共同発起人 田中 伸明
ベスリクリニック(HP) 理事長
統合失調症の薬物療法で発展した精神医学は、薬物効果が限定的なうつ病・発達障害・不安障害・PTSDなどのトラウマ関連障害への対応を求められています。日本の精神医療には新しい非薬物治療の導入が必要としています。一方日本の心理学も、言語療法の限界を超える新しい心理療法の確立が求められています。認知行動療法・弁証法的行動療法・マインドフルネスストレス逓減法・ナラティヴセラピーなどの治療導入が進んでいた欧米では、新しい心理療法的アプローチとして、SP(Somatic Psychology:身体心理学)が発見され、そして現在大きく発展しています。
これまでは心を扱う心理学、脳を扱う精神医学、体を扱う身体医学といったように、人間を二元論や多元論で捉え、バラバラに治療に取り組んできた歴史があります。そもそも感情・思考・行動はそれぞれ別のものから生じると考えるのではなく、お腹が空けばイライラするし食べ物を探す、美味しいものを食べれば幸福感を感じる寝てしまう、そういった身体を有する人間そのものへの本質的アプローチがSP(身体心理学)なのです。
歴史的な視点からみると、20世紀の物質的治療の限界が明らかとなる中、SPは東洋医学的な心身一如、心身一元論、そして社会構成主義などの哲学、ポリヴェーガル理論や認知科学理論を取り込みながら急速に発展している21世紀の心理治療と言えるでしょう。
今日本の精神医療に新しい心理療法の導入が求められています。しかしそれは1960年代に起こった認知行行動療法でなく、世界で現在進行形で発展しているSP療法と考えています。
SPC(Somatic Psychology 治療Center)は、世界最新のSP治療を習得したセラピストと世界最新の治療を受けたいクライアントを繋ぎ、医療機関という安全安心の場でのセラピーを提供する取り組みです。SPCは日本の精神医療の発展のため、日本の心理療法の発展のため、そしてそれを求める患者様・クライアントの皆様のために発展していきたいと思います。
どんな治療を行っているか
主な治療は以下となります
・ブレインスポッティング
・プロセスワーク
・ソマティックエクスペリエンシング
他の治療については続報をお待ちください。